『好きだ、』

生「永作博美

「好きな芸能人」だとか、「好みの女性のタイプ」を聞かれたら、真っ先にあげるのが永作さんの名前だ。そんな私だけど、これまで一度も生で見たことがなかったので、早起きして舞台挨拶へと出かけた。
映画のほうは、正直なところいまいちな感じ。期待が大きすぎたというのもあるのかもしれない。
ストーリーは大きく二分される。前半で17歳のユウとヨースケが描かれ、後半ではその17年後、34歳になったふたりの物語が綴られる。
17歳のほうでは、人を好きになるということの何たるかが、まざまざとよみがえってきた。好きな人に対しては、真正面から向き合うことができなくて、ちょっとそっぽを向いてしまうようなところがある。あるいは、伝えたい想いがあるのに、伝えられない。そんな青春の一面がこの映画にはとてもよく表れていた。仮にこの前半部分だけで話が終わったとしても、いいぐらいの出来であり、また内容である。
しかし、34歳のほうはというと、うまく話に入っていけなかった。それは私が以下のような予想と期待をもって、映画を観ていたからだと思う。
あのときはいえなかった→いまはいわなければいけない→でも苦しい→胸が張り裂けそうだ→それでもなんとかいえた→ハッピーエンド
しかし、こんな単純な展開にはならない。
舞台挨拶での西島さんの言葉を使えば、34歳は「閉塞感」がある。だからこそ、画面も暗い。これは前半で、空の模様がしきりに映し出されたのと対極的である。
話に入れなかったのは、そうした34歳の感覚というものを、私が持っていないからではないか。そんなことを思った。
終了後の舞台挨拶は、向かって左から司会の女性、監督、宮崎さん、永作さん、西島さんの並び。ま
ず、撮影してから公開までだいぶ日時が経ったことについて、各自がひとことずつ述べる。その後、監督の撮影手法について西島さんがコメント。最後に「もう一度観たくなるようなお話を」と求められた監督が、「ひとりできた人は、誰かといっしょに、ふたりできた人は、今度ひとりで観てほしい。感じ方もかわると思う」という話をしてあっという間に終了。マスコミ向け写真撮影の時間もなし。2回目上映前の舞台挨拶のほうが長めだったのかなと思うと、少し残念。
でも、永作さんの姿を間近で見られてとても満足だ。マイクを持たないほうの手に力をこめて話すんだなあということもわかった。

行動記録

睡眠約2時間で2:50起き。冷蔵庫の中にあった冷凍食品を食べて家を出る。
大船4:02→(ムーンライトながら)→品川4:34
ホーム前より9〜4号車が自由席。遠方から乗ってきていると思われるみながみな、2席分を占領しているので、空席が少ない。
品川4:42→(山手線)→渋谷4:54
駅から歩き、5:00ちょっと過ぎに劇場着。すでに30人以上が列を作っていた。先週の土曜日おこなわれたテアトル新宿でのイベント同様、男ばかり。あのときいた顔もちらほらと見かける。たぶん私も、周りにそう見られていたのだろう。
きょうはそれほど風が強くなかったので、そんなに苦痛に感じることもなく3時間が経過。8:00過ぎに前売券を整理券に引き換えて、劇場を後にする。
11:45の上映開始まで何をしようかと思ったが、丸善丸の内本店へいくことにする。山手線に乗り、東京駅構内をぶらぶら歩いたり、ソフトクリームを食べたりして、丸善の開店時刻を待つ。本を購入した後、再び山手線に乗り渋谷へ戻る。ちょうどいい時間だったので、パンを食べて、劇場へ。