文庫本解説者を調べる方法

id:ochibo:20060108に坪内さんが解説を書いた本のリストが載っている。参考までに、私が特定の解説者の書いている文庫本を探した方法を書いておきたい。
先に結論からいってしまうと、リストにないものは1冊も見つからなかった。クチコミにまさるものはないということか。でもまあ、坪内さんじゃなくて、もっとマイナーな人について検索するかもしれない。そういうときに役立ててもらえればと思う。
まず、新潮文庫の2000年までの分は、『新潮文庫全作品目録 1914-2000』(ISBN:410740000X)がカバーしている。これは解説者も索引に収録されているので、調べるのがとても楽。ここに収録されている坪内さんが解説を書いた本は、以下の4冊。

田中康夫『オン・ハッピネス』
白石公子『ブルー・ブルー・ブルー
嵐山光三郎文人悪食』
小林信彦『ムーン・リヴァーの向こう側』

次に、「便利な文庫の総目録」(文庫の会発行)というのがある。早稲田の図書館には、1992年版(1992 10/30)と1996年版(1996 12/25)が置いてあって、これには

1991年12月現在発行され、在庫のある56社からの文庫・シリーズ99文庫と新書版文庫3文庫の計102文庫を収録してある。(1992年版の凡例より)

というわけだ。具体的にはこんな感じのリストになっている(96年版より)。

[白石公子]
40/ブルー・ブルー・ブルー/新潮/し32-3/480/4-10-126923/解=坪内祐三

1996年版の「日本の著作者」の項に載っているのは、これ1冊(「外国の著作者」は見ていない)。ちなみに1992年版のほうには、1冊もない。
リストの見方について説明しておくと、一番左は、ページの上から振られている番号で、特に意味はない。480は値段。一番右は備考欄で、解説者名以外に、「ファン座談会」とか「全作品リスト」などと書かれている本もある。
役立つ本(正確には雑誌扱い)のように思えるが、難点がみっつほど。まず、索引に解説者が収録されていない。したがって、「あ」から「わ」まで順番にぺらぺらとめくっていって、探すしかない。特定の人名を追っているのであれば、1時間半ぐらいで見終わると思う。まあ、「たったの」1時間半なのか、1時間半「もかかる」のかは、人にもよるだろうけど。
次に、絶版になったものはリストからはずされることだ。そんなすぐには絶版にならないだろうから、3年ごとぐらいに見ればいいのかな。
そして最後だが、この「便利な文庫の総目録」の刊行は1999年まで。以後は休刊になってしまっている。まことに残念としかいいようがない。以上が、本から調べる方法。
あとは、ネットオークションや古本サイトで検索することか。なかでもスーパー源氏http://sgenji.jp/)はほかと比べて、解説者名が入力されていることが多い。著作者名にチェックを入れて、坪内祐三「を含む」で検索する(普通の出品者なら、最初に書くのは著者名である。だから「で始まる」にチェックしていると、見つからない)。ちなみにこの方法では、『銭金について』やら『茶話』がヒットする。
さて、オチをつけるのに困ったが、いいたいことはふたつ。まずひとつは、これから出される分でかまわないので、NDL-OPACに文庫の解説者名を入れてほしいということ。そんな難しいことじゃないだろうし。もうひとつは、なんで「便利な文庫の総目録」の刊行をやめちゃったんだってこと。ひょっとしたら、別のものに引き継がれていたりするのかな。