試験期間の風物詩たち

いままで授業に出ていなかった人間が、借りたノートを必死にコピーする時期である。同じ授業を取っている友だちがいれば、問題はない。しかし、誰も当てがないとなると、前のほうに座っているまじめそうな人に声をかけることになる。
ある授業でのこと。先生の話が終わるやいなや、「きょう配ったレジュメ以外に何枚ぐらいありますか?」と見たこともないやつが聞いてきた。私は親切にも「ええと、7枚ぐらいですね」と数えて教えてあげる。
だけど、それでおしまいなわけがない。当然、コピーさせてくれといってくる。別にそんな大変な枚数じゃないので、協力してやる。「○日の□時にどこどこで待ってて。コピーしとくから」といい人ぶりを発揮。そもそもなんでこやつは私をチョイスしたのだろう。いたのは教室の真ん中ぐらいだし、しかも授業中に寝ていたのに。
それで、帰りに文具店でコピーをする。そうしたら、店のおばあちゃんが、「NHKが学生に評判のコピー屋ということでインタビューにきた(これからくる?)」という話をしていた。
補足をしておくと、大学の周囲には、10円以下でコピーできる店がたくさんあり、それなりに価格競争みたいなものがある。この店は6円だ(ちなみに私が見つけた最安値は5円)。
へえ、評判なのかあ。確かに安いし、店番の人たちはみな愛想がいいし、何よりも大学の帰り道にあるしね。
さらに話は続き、「そのNHKの人が大学時代から使っていたってことなのかもしれないね」という。
ただそれだけでとくにオチはない。しかし、興味深い話を聞くことができて、わざわざ人のためにコピーをしているという面倒くささはどこかへいってしまった。
さらにもうひとつ、試験期間だなということを感じる現象がある。これは読んでくれている人にはわからないことだけど、リンク元に「科目名」+「レポート」みたいな語句が目立つのだ。前期も同じことがあった。しかも、提出日が過ぎた後にも検索した人がいたようで、大いに笑わせてもらった。そして、ちょっとだけかわいそうだなとも思った。