坪内祐三「編集・ジャーナリズム論」第2講(4/20)

きのうの5限、前回同様に15-201にて。
坪内さんは20分ぐらい遅れて、16:40に教室にきた。服装は一週間前と同様、上下とも黒。人数は、ざっと見回したところによると、前回の1/2から1/3ぐらい(60人ほど)だろうか。
2次登録や3次登録でこの授業を選択した人は、前回の授業に出られなかったので、評価方法(出席は取らない。レポートは、学年末に1本と、前期の間ならいつ出してもいいものの2つ。後者は題自由の800字以上)についての説明をもう一度した。
そして、「きょうレポート持ってきた人いる?」と問いかけるものの、誰も提出せず。なので、前回やったアンケート用紙を再度配布する(というか、前列の人に配ってもらう)。きのうの授業はずっと、そのプリントの解説だった。
「全員の分は見られなかったけど、50枚ぐらいチェックした」という坪内さんが、まずアンケートの結果について所感を述べる。一番最初の20項目(「一ツ橋系」とか「大宅壮一」など)のうち、半分ぐらい見覚え、聞き覚えがあるといいんだけどなあ、とのこと。
その後、「これについて聞いておきたいなあっていうのはある?」というけど、誰も答えないので、ひとり指名した。その人が『噂の真相』を知りたいというので、それについての概説をする。
「しがらみがなく、また広告収入に頼りきっていないから、ほかでは書けないことを書ける」とか、そっくりな雑誌『噂』の件、名誉毀損と、裁判にかかるお金の問題などについて言及した。文字にすると、当たり前のことばかりかもしれないけど、要点をしっかり抑えて説明していて、さすが教壇に立つだけのことはあるなと思う。また『噂の真相』なき現在、その代用はインターネットがしているのかどうかについて、「インターネットというのは、実はたいしたことがない。情報に裏がなかったりする」とのコメント。
繰り返し、坪内さんが「どれか聞きたいやつはある?」というと、「マーシャル・マクルーハンっていうのがわからなかったんで、聞いてみたいなと思うんですけど」という声があがる。これは知っているのが10人ぐらいだったそうで、メディア論をやる人の古典、キャッチ・コピーがうまい、という説明だった。本当はもっと長々と解説していたけど、よく聞いていなかった。マクルーハンについての基本的なことは以下のURLに載っている。
http://www.walkingtune.com/mcluhan.html
その後、どういう話の流れになったかよく覚えていないんだけど、亀和田武、『シティロード』あたりにまとめて言及する。
1970年代ごろまでカタログ雑誌というのはなく、1972年に『ぴあ』が創刊され、『シティロード』と対立。前者が完全に情報のみだったのに対し、『シティロード』は、映画だとか音楽もカバーしていて、今見返しても面白いと思う、とのこと。
そして話は新聞の書評欄についてに移る。かっては、新聞の書評というのはものすごい影響力があったけど、今では書評員制が採用されていて、順々に入れ替えはするものの、延々とやっているから魅力がなくなってきている、という。そんな中で、朝日の書評欄で雑誌について書いている亀和田さんのコラムは「雑誌の世界で何が面白いのかがわかる」そうだ。
こんなところで時間切れ。来週またこの続き。「(この授業を切り捨てないで)休み明けまで授業に残る人は、教科書を買っておくように」だそう。