『人生ベストテン』(講談社)

小説現代』初出の短編6本からなる。主人公は男・女・男・女の順になっているから、意図的に交互に執筆したのかと思いきや、最後は女・女と続く。
話に直接かかわらない仕草をいちいち書いていてリアルなのと、あと短い枚数でありながら、ストーリーを大胆に動かしていたのが、全編通して印象に残った。設定がありがちでないのもいい。それぐらいしか気づかなかったな。直木賞取ったから、今まで書いた短編をまとめて出してみただけなのかもしれないけど、それぞれの質は非常に高く、楽しめる1冊だった。