見城徹著『異端者の快楽』(太田出版、2008/12)

発言&対談集。前著は言葉が印象に残る本だったが、今度はエピソードが魅力的。なかでも面白く読んだのが、『成りあがり』の件。これは単行本が小学館から出ている。当時は小学館文庫がなかったので、集英社文庫に収録されるのが既定路線だった。そこをいかにして角川文庫にもってきたか……(p.44-46)。
また、上記の部分は講演がもとになっているのだが、p.43では、見城さんが寝ている聴衆に対して「出ていって」とこぼす。こういうシーンをカットせずに、あえて文章に起こしているのも面白い。
もうひとつ、幻冬舎のロゴの成り立ち(p.172)も興味深い。いまでは「槍投げケンケン」なんて呼ばれているそうだ。

立川談春著『赤めだか』(扶桑社、2008/4)

落語に何の興味がなくても面白い。ただ、話が少し弱い部分(特別篇その一など)もあるので、完璧な作品にはなりそこねているように思う。
2008年8月10日第5刷発行。