田中靖子著『劇団きらきら物語 障がいのある子もない子も共に演劇を!』(幻冬舎、2006/7)

第1回「感動ノンフィクション大賞」にて大賞を受賞した作品。巻末には選考委員(大石静重松清横里隆、山田良明、館野晴彦)による選評が掲載されている。
学習障害の娘を持った著者。そんな娘に、自身も大好きな演劇をさせことを思い立った。初めは母子で「演劇ごっこ」、それがうまくいくと他の子も交え児童劇団を立ち上げる。メンバーは健常児だけでない。障害児も含まれる。だから意味があるのだ。健常児は自然と障害児をサポートしようという気持ちを持ち、その支えを受けて、障害児は自分でもできるんだと自信をつける。この本は、そんな劇団を運営する著者の奮戦記。

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いい話を読ませてもらった。一方に障害児がいて他方に健常児がいてという構図は、たとえば学校の教室だって同じだ。だけど、そこではしばしばいじめが起こる。劇団と教室の違いは何なのか。それはやはり、舞台の成功という大きな目標が劇団にはあるということなのだろう。