『ブロークバック・マウンテン』

同性愛を描いた作品だということが、しきりに強調されている。もちろんそれはこの映画のメインテーマなので、強調されることが間違いだとは思わない。
しかし、それ以上に私が惹かれたのは、ふたりがブロークバック・マウンテンで過ごした日々の濃密さだ。人生のあるひとときが、濃密であればあるほど、その後の人生に影を落とすというか、あんなにも素晴らしいときがあったのに、みたいに振り返りがちになる。そうしたありようが、この映画ではとてもよく描かれ、観ていてせつなかった。
そしてまた音楽もいい。パンフを読んで、『モーターサイクル・ダイアリーズ』のグスタボ・サンタオラージャが担当していると知り納得。
パンフは急いで作ったためか、誤植のオン・パレード。「ブロークバック・バックマウンテン」なんてなってたり。
渋谷のシネマライズ(2F)にて。最前列で首を上向きにしながらの観賞だったが、それほど辛くはない。