東海林さだお著、重松清解説『アンパンの丸かじり』(文春文庫、2015/4)

食についてのコミカルなエッセイ全35編。帯によれば「シリーズ第34弾」だそう。初出は2011年。東日本大震災と前後して書かれている。
冒頭はカニ缶についての話で、見たことがない私は、いきなり置いてきぼりにされた気分。まあでも楽しめた。むかし麻生太郎こち亀を評していたように、このエッセイも自分のコンディションを知るバロメーターになるのかもしれない。
印象に残った箇所をひとつ。

フォークの背中にごはんをのせてたべた経験はありませんか。
(略)
それがマナーだった時代が日本にはあったのです。
「ごはんのヘンテコ食い」(p.100)より

へえ。いまはマナーじゃないんだ……。小学校低学年のころ、母からこれを聞いた記憶がある。面倒くさいなあと思ったものの、その後の人生においてフォークで食わされる店にいったのは1回か2回だけだわ。

国弘よう子の『映画ナイト』

2月5日更新分のゲストが、映画『十字架』監督の五十嵐匠(いがらし・しょう)。「いじめから突き抜けた青空」を、インタビューでは泥水の上澄みにたとえている。
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http://blue-radio.com/program/night/index.aspx?genrename=160205