抱き合わせオークション

ヤフオクに「重松清さん新聞の切り抜き+17歳の思索直筆サイン本」というタイトルの出品*1があった。これは重松清の著作ではないのだが、切り抜きといっしょだし、何か関係があるのだろう。そう思って調べたが、まったくつながりはなかった。
出品者はこの『17歳の思索』なる本に無関係なものをつけ、200件以上を出している。抱き合わせにするものは、(無関係な)切り抜きのほか、(無関係な)他の本やCD、さらにはチョコボールの当たりマークなんてのもある。
ひどい例をあげると、タイトルを「上村愛子バンクーバー五輪モーグルスキー+直筆サイン本」とした出品。上村のサインと思わせ、実際は新聞の切り抜きと、『17歳の思索』というわけだ。

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それでこの本はいったい何なのか。まず版元は文芸社だ。そしてオークションの説明文にはこんな記述がある。

●「17歳の思索」は2009年6月19日発売の新刊です!17歳が書いた哲学的エッセイ集です!
●私は著者の関係者なので連絡先や名前は教えられませんm(__)m

【『17歳の思索』文教堂書店にて常備陳列中!!】
2010年1月より『17歳の思索』が下記の文教堂書店にて1年間常備陳列されます!
この本の内容を知りたい方はぜひ実物を見てヤフオクの購買にお役立て下さい!
なお、各店舗1冊のみの配本で、売れたら必ず補充されるものの2週間程度かかるそうで、一時的に品切れになる場合もありますので予めご了承下さいm(__)m
常備陳列される店舗は下記の7店舗になります!遠方の方には申し訳ありませんm(__)m
(以下略)

おわかりだろう。自費出版にあたって、著者サイドがいくらかの冊数を引き受けたものの、あまりまくったわけだ。ちなみに抱き合わせとするものによっては、落札もされているが、資源ごみとなっているに違いない。