映画『きみの友だち』
率直にいって、よかった。そして、安心した。事前にいい評判を聞かなかったから。
重松清の小説とは、場面を綿密に描くことによって、感情を想起させるものだと思っている。セリフをシチュエーションで代替させるのである。
この映画にも、そんな重松ワールドは活きている。長めのカットを多用するのだが、それらにおいてカメラは、人物との距離を取る。となれば、写りこむのは周囲の様子である。
私はここに明確な意思を感じる。会話ではなく、彼ら彼女らが置かれた状況をこそ、フィルムに収めたかったのだと。
-
-
- -
-
新宿武蔵野館1にて。終了後に舞台挨拶。登壇者は監督と女の子3人。それ自体はどうでもいいものだったが、うれしかったのは見終えてロビーに出ると、監督がいたこと。こういう場で、ぶらぶらしていてくれる人には好意を持つなあ。話したい人もいるだろうし。
7月25日付朝日新聞夕刊
「プレミアシート キネBOX」というコーナーで、映画『きみの友だち』の評が掲載されている(稲垣都々世)。
今月の角川文庫編集長
書店には小冊子が用意されている。おおむね『野性時代』8月号の特集をまとめた内容だが、細かい点で違いがある。
まず、「重松編集長が見つけた旨いモノ」という項が追加されていて、バラフという野菜を紹介している。
後は、カットされたのが、読者からの質問のいくつかと、「夜行列車で読み耽った青春」というエッセイ。