川本三郎著『言葉のなかに風景が立ち上がる』(新潮社)

小説に描かれた風景に着目する評論集。初出は『芸術新潮』。
うまく感想は書けないけど、とにかく面白い。その面白さというのは、扱われている文学作品の面白さがまずあり、また、風景を軸に再構成して生まれた、新たな作品世界の面白さがあるんだと思う。
この著者の本はまったく読んだことがないが、翻訳・評論が活動の中心らしい。小説は書かないのだろうか。きっと、いいものを生み出すだろうに。

境野米子・渡辺雄二著『新・買ってはいけない2006』(金曜日)

企業にクレームをつけると、
1:あまり関係のないことを延々としゃべる。
2:それで、お問い合わせの件ですが…
みたいなパターンが多いように思う。この本の内容からすれば、載せるのは2だけでもいいのだが、あえて1も掲載している。これはおそらく、細工せずに、企業の主張をそのまま紹介しようということなんだと思う。評価できることだ。そしてより重要なのは、こういう内容のものを出し続けていること。
2005年12月の発売以来、ずっと積読していた。その間に、続刊『新・買ってはいけない4』も出ていたようで、できればこちらも購入し、時間を見つけて読もうと思う。