朱川湊人著『花まんま』(文藝春秋)

短編6編からなる。最後の「凍蝶」だけ書き下ろし。ほかは『オール讀物』初出。直木賞受賞作だけあって、そこそこ読ませる。夏の夜にいいかも。
気になったのは、「凍蝶」の「その答えをはっきりと教えてくれたのは、転校生のマサヒロだった」(p.231)という記述。にもかかわらず、その後で答えが明らかにされていないような。これでいいのだろうか。
不満は、たったの269ページしかないのに、分厚いことと、1571円+税という中途半端な値段設定のけちさ。