春江一也著『プラハの春』(集英社)

この本のことは、3、4年前に川本和彦著『大学入試センター試験 政治経済』(語学春秋社)の中で紹介されていて知った。それで買ったんだけど、現在まで読むのをためらっていたの、530ページ超という分厚さのためだ。現在では文庫にもなっていて、そちらは2分冊のコンパクトな形式になっている。
著者は1962年外務省入省。プラハの春当時、チェコスロバキア日本大使館に勤務していたという経歴を持つ。そのときの体験をもとにした1冊で、著者を投影していると思われる外務官僚の亮介を主人公に、当時のチェコスロバキアを描く。フィクションとされてはいるけど、ヤン・パラフの焼身自殺などの事実もおおいに盛り込まれている。
『ワイルド・ソウル』(幻冬舎)もそうだったけど、こういう歴史をからめたものが、私は好きなのか、とても面白く、先を急ぐように読んだ。『ベルリンの秋』(集英社集英社文庫)という続編もあるようで、手に取ってみたいけど、これも長いんだよな。