週刊将棋編、渡辺明監修『将棋・ひと目の手筋 初級の壁を突破する208問』(マイナビ将棋文庫SP、2006/8)

まず購入の経緯を書くと、手筋の本を何かやりたかった。いくつか候補があるなかで、入手の容易さから本書ともう1冊に絞った。入手しやすい本ならば、書店で内容確認ができるので……。
比較にあがったのは、『将棋 絶対手筋180』。こちらも渡辺明が監修していて、値段も同じ。文庫本というスタイルも同じ。
立ち読みして目についたのは、『絶対手筋』のほうだと、戦法における手筋も収録されていること。この戦法を使うなら、ここの1手は知っておきたい的な、そういうのが入っている。
あともうひとつ、『絶対手筋』のほうにはチェックリストのページがついていること。つまり各問題を正解できたかメモするスペースがある。後述するが、個人的にはこれはいらないと思う。別にあったからといって困りはしないが。
最終的にはフィーリングで、『ひと目の手筋』を買うことにした。

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本書の構成は、まず左ページに問題がある。次の一手を考えたところでぱらっとめくり、右ページに答え・解説というオーソドックスなつくり。
私のやり方だが、初見でわかった場合は何もしない。間違えたものは、問題ページにチェックをする。これは正の字でつける。2周目・3周目でも不正解で正の字が増えたら要注意ということになる。さらに、指し手は正解だったものの、その後の手順がわからなかったというケースがある。これは△をつけている。そんなふうにして、正の字や△がついたものを中心に見直すのが私の取り組み方。
ところで、本を汚すのがいやだという人もいるだろう。そういう人は、きれいな本をもう1冊買えばいいと思うのだが、いかが?
さきほどの話に戻るが、『絶対手筋』のほうにはチェックリストがある。しかし、リストで確認するよりも、問題ページに直接書き込んだほうが、見直しが簡単だろう。
リストを使う場合【リストのページを見る→145番を間違えてると確認→145番のページへ】となる。合間にページ移動が入っちゃうわけだ。問題ページに書いておけば、その移動をせずにすむ。
さて、本書の評価だが、ほかの手筋本をやっていない以上、比較はできない。それでも役に立ったのは間違いない。特に囲いくずし、端攻めの章は、実戦でかなり活きている。
あとは渡辺竜王のまえがきがいい。たった1ページ、ほんの14行だが、学習欲を刺激してくれる。
2012年9月5日初版第11刷発行。
【参考:筆者の現在の棋力】将棋倶楽部24・13級(最高R269)、将棋ウォーズ3級。