福満しげゆき著『僕の小規模な生活4』(モーニングKCDX、2010/12)

読者に隠していたが実はアイフォーンを持っているというコマがある(p.21)。そこにはかっこで「8GB」と書かれている。この容量の情報は、内容的に意味ないだろう。最初そう思った。
では「8GB」がなかったらどうなるか。吹き出しの2ブロック目が1行に減り、前後と不揃いになってしまう。つまり、著者は見た目をならすために、わざと不必要なことを付け加えたのではないか。
そんなふうに考えていて気づいたのだが、この漫画は吹き出しにかなり凝っている。上記のアイフォーンのコマのように中央がへこんだ段差状だったり、あるいは内部の文字にしてもポイントを細かく変えている。もちろん手書きもある。字の多い作品を飽きずに読ませる工夫が、かくもなされていたとはね……。