森達也著、重松清解説『東京番外地』(新潮文庫、2009/8)

森達也がこういう内容のものを書けば、面白くないわけがない。私は、観光ガイドブック的な読み方をした。とりわけ12弾のと場には、以前からいってみたいと思っていたし。
……と書いてみて、疑問が浮かぶ。観光とは何だろう。真剣さをともなわない(つまりは遊びでの)スポット訪問っぽいイメージがある。だとしたら、本書について、そういう表現を用いるのは、ミスマッチかもしれない。
広辞苑を引いてみる。「国の光を観す」(国威を外にしめす)とあった。
なるほど。とすると、観光ガイドブックという読み方・呼び方もあながち悪くはないか。

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帯の「この街には/いくつもの聖域がある」という文字が微妙に傾いている。森達也というのはつまり、この微妙な傾きなんだろうな。