Q.B.B.著、重松清解説『中学生日記』(扶桑社文庫、2008/6)

中学生のこっぱずかしい日常を描いた漫画。2002年9月に新潮文庫で刊行されたものを復刊。
作中に、人の弁当を勝手に食ってしまうシーンがある。その弁当にはのりまきが詰まっていたのだが、全部は食わない。1個だけ残しておく。
なぜだろうか。せめてもの情けというのもあるだろうし、1個だけ残ったそれを見たときの反応が楽しみ、というのもあるかもしれない。とにかく1個だけ残す。それが中学生男子のお約束なのである。
この漫画は、私たちが意識せずにいたそのようなお約束を、様々なところに見出す。本当に、作者たちの観察眼には恐れ入るばかり。