『小説現代』12月号
短編「二丁目の合言葉」掲載。過去のエントリを見返してみると、この連作は9月号以来の2回目らしい。
淑子(よしこ)のお母さんは、毎年恒例の同窓会へいく。いつもならさぞかし楽しんだ様子で帰ってくる母。しかし、帰ってきた彼女に元気はない。淑子はその理由を探る…。
ゆする・ゆるされるだとか、よのなかわかることばかりじゃないだとか、最近の作品に見られる要素がここでも盛り込まれる。思うに、近年は何が書きたいのかはっきりしてきた印象がある。それは著者のなかで明確になったためなのか、あるいは私が読み取れるようになったということなのか。
あともうひとつ。こういう時代を扱ったものだと、唐仁原教久の挿絵がとても生きてくるなあと。