単なる雑記

ピンポーンと鳴った。来客のようだ。いつもなら無視するところ。しかし、たまたま玄関のまえにいたので、戸を開けてみる。
「回覧板を持ってまいりました」
そこにいたのは、自分と同年代に見える女性だった。営業とか勧誘じゃなくてよかった。ボードを受け取って、ドアを閉める。
ここで私、疑問に感じたことがある。回覧板ごときで、「持ってまいりました」とは丁寧すぎやしないだろうか。
渡されたそれをぱらぱらと見る。最終ページにブロック分の世帯名があり、読んだらサイン代わりに日付を書くことになっている。きょうの日付があったのは1軒。近くにある介護施設であった。
なるほど。普通のご近所さんだったら、「回覧板です」といえば十分だけど、そういうところの人は、かしこまりたくなるかもしれない。

『40 60』創刊号

ニール・ヤングの特集内に、重松清が登場――しているなら買おうかと思ったのだが、そこにあったのは「白髪のニール」(『気をつけ、礼。』所収)の抜粋であった。
http://www.crave.jp/pub/4060/index.html

文藝春秋』12月号

大林宣彦との対談「愛する妻を喪くしたとき夫は」(全7ページ)が掲載されている。
映画・原作それぞれの『その日のまえに』をふたりが語る、といった内容。興味深いのは、監督が映画化させてほしいと願い出たときのエピソード。それは、はがきでなされたのだが、重松清の仕事場が近所だったため、郵便ではなく、直接投函しにいった。ここまでは劇場用パンフに書かれている。
しかし、まだ続きがあった。そのはがきには、監督が手描きした切手が描いてあったのだという。
すばらしき遊び心だなあ。重松清もいってるし、私もそう思う。

小説新潮』12月号

特集「作家になる道Part2」内で、井上荒野インタビュー「あらすじのない、曖昧な世界を書くために」(全10ページ)の聞き手を務めている。
大ざっぱな内容は、父が自分にもたらした影響、現在、そして今後……。私にとっては未読の作家だが、これから読んでみたくもなり、また読むのが怖くもなる、そんなインタビューだった。