ピンポーンと鳴った。来客のようだ。いつもなら無視するところ。しかし、たまたま玄関のまえにいたので、戸を開けてみる。
「回覧板を持ってまいりました」
そこにいたのは、自分と同年代に見える女性だった。営業とか勧誘じゃなくてよかった。ボードを受け取って、ドアを閉める。
ここで私、疑問に感じたことがある。回覧板ごときで、「持ってまいりました」とは丁寧すぎやしないだろうか。
渡されたそれをぱらぱらと見る。最終ページにブロック分の世帯名があり、読んだらサイン代わりに日付を書くことになっている。きょうの日付があったのは1軒。近くにある介護施設であった。
なるほど。普通のご近所さんだったら、「回覧板です」といえば十分だけど、そういうところの人は、かしこまりたくなるかもしれない。
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『40 60』創刊号
ニール・ヤングの特集内に、重松清が登場――しているなら買おうかと思ったのだが、そこにあったのは「白髪のニール」(『気をつけ、礼。』所収)の抜粋であった。
http://www.crave.jp/pub/4060/index.html