生レバー自己責任論

生ガキよりはるかに食中毒が少ないだとか、食べて病気になっても本人が困るだけという声があるわけだが、そういう人にふまえてもらいたいなと思うのが、朝日新聞4月25日付の記者有論(大村美香)。
内容をまとめると、菌で発病するのは子どもと年寄りが中心。成人は症状が出ないまま、保菌者でいることも多い。そうして人から人への感染を、気づかぬままに起こしている可能性がある。腸管出血性大腸菌による発症例のうち15%程度は接触感染が原因とされる。

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つまり、本人が困るどころか、本人は平気なまま他者に影響を及ぼしうるわけだ。どうして自己責任論を唱えられるのか不思議である。
冒頭の生ガキより食中毒が少ないという意見にしたって、そもそも顕在化するのは本人が食って自分が病気になった例だけだろう。家族間の感染なら調べられるかもしれないが、それ以上はどうしようもない。身の回りのコミュニティすべて調査するわけにもいかないのだから。