佐野正幸著『昭和プロ野球を彩った「球場」物語』(宝島SUGOI文庫、2009/3)
親本を大幅に加筆・修正しての文庫化(今後も新事実が出れば加筆したいという)。単行本を買い控えておいてよかったなと思う。
紹介されている球場のなかでとりわけ印象的だったのは、上井草球場。ライオンズ以前にも、西武鉄道がプロ野球とかかわっていたとは。
全体的に見ると、著者とかかわりのある球場・ない球場の筆致の違いも面白い。前者は思い入れがたっぷり書かれているのに対し、後者は実に客観・冷静。見てもいないことを、知ったかぶりしないというか、そのへんに好感をもった。
森祇晶著『野球力再生 名将の「ベースボール」思考術』(ベースボール・マガジン社新書、2009/3)
およそ8年ぶりの著書になるらしい。内容は野球界への提言。
さまざまなゆがみや矛盾を浮き彫りにしており、面白く読んだ。日本球界と距離を置いているからこそ、書けたこともあるのかもしれない。