「文学と政治思想の対話2」

明治学院大学でおこなわれている「政治思想の現在」というセミナーの7回目で、原武史さんとの対談。大ざっぱな内容は『滝山コミューン1974』に書かれたこと、およびニュータウン。以下、感想の列挙。
・『滝山…』を漫画にするなら、と(重松清が)名前をあげた山本直樹は知らなかった。wikipediaによると、1960年の2月生まれだから、重松清とは3つ違い。1983年に教育学部の国語国文を卒業*1し、デビューは1984年。このとき重松清は在学中だが、「おれたちの先輩だぜ」みたいな感じで、話題になったりしたのだろうか。私も機会があれば読んでみたい。
・桐野さんのときも思ったが、原さんは本当によく読んでるなあと思う。とくにそれを感じたのが、重松清が学校の同調圧力の話をしたときに、原さんが『娘に語るお父さんの歴史』のタイトルをあげた場面。私はそんな箇所あったっけなと、家に帰って見返してみたのだが、たしかに出ている(p.95-96あたり)。思うに、原さんが『滝山…』に書かれたような問題意識を持っているからこそ、「同調圧力」という言葉でもって、その部分を読めたというのがあるかもしれない。
・会場からの最初の質問は、「若者の心のひだを、なぜ細やかに描けるのか」というものだった。これまでに何度となく、同じことを聞かれているだろう。そんな質問に対しても、お決まりの答えを返すのではなく、きょうの話の内容を盛り込んでの回答。「テーマに関連づける」というのは重松清がよくやること。ときに無理やりにもなるが、話し手としての才能を感じさせられることが多い。
重松清が愛読しているといった「猫のblog」。私は猫が中心になってから、ほとんどアクセスしなくなってしまったなあ。
・著作の販売はなかった。
・構内を出て、自転車の置き場まで歩く途中のこと。タクシー行灯のない緑ナンバーの車がとまっていた。たぶんこれに重松清が乗ってるんだろうなと思いながら、横を通り過ぎた。

ブックファースト新宿店

1回目のイベント「サイン本フェア」に、重松清の本があったそう。
http://ameblo.jp/lilac-violet/entry-10160759297.html

*1:1年浪人か、あるいは留年している?