重松清編著『増補新版 教育とはなんだ』(ちくま文庫、2008/3)

単行本との違いは、対談が2本(寺脇研品川裕香)追加されたこと。あと、「それから」という対談後のコメントがあって、これは単行本にも掲載されていたのだが、加えて「それから――文庫化にあたって」を書いている人もいる。

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この時期に読んで面白かったのが、教員免許をめぐる対談(相手は小貫輝雄:『教職課程』という雑誌の元編集長)。重松清はこんな問いかけをする。

地元の大学が有利であるとか、「教師の子どもは有利である」というような噂が出てくることじたい、ほんとうはまずいのではないでしょうか。採用試験にどんな問題が出され、どんな基準で合否が決まるのか、一般のひとには見えづらい。ある種のブラックボックス化しているところが、教師への不信感も生んでいるような気がするのですが。

それに対する小貫さんの回答は、いまでは7割の都道府県・政令指定都市で問題が公開されるようになった、というもの。しかし今回、大分で不正が明らかになった。それによって、試験問題が公開されたぐらいでは、裏で何かやってるという疑惑をぬぐいさることはできないのだろうなあ。

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余談だが、p.262の「十把一絡げ」に「じつば」とルビがついている。ネットを検索した限りでは、「ば」という用例に出会わないのだが、誤植だろうか。ちなみに単行本ではルビなしになっている。

明正堂(アトレ上野店)

旧作のタイトルを入れてのサインか。ふーん。
http://ameblo.jp/rikakkuma0807/entry-10096298741.html