ゲッツ板谷著、重松清解説『ワルボロ』(幻冬舎文庫、2007/7)

単行本版以来、およそ1年ぶりの再読。文中の比喩までも、ことごとくワルな雰囲気になってるのがすごい。単に勢いだけで書いてねーなということに気づかされる。
気づいたといえば、もうひとつ。この文庫版だと、帯は映画の宣伝になっているのだが、単行本では違う。まさに『ワルボロ』のころのコーちゃんたちの写真が使われているのだ。そこで、裏表紙側のキャプションはこうなっている。
「写真●一番左小佐野・右から二番目キャーム・右から六番目コーちゃん」
そういえば、そうだったなあと思い出す。文庫版で「小田嶋」という名前のやつが、単行本では小佐野だったことに。そのほかにも、ビデちゃん(単)→メギちゃん(文)、カッチン(単)→ドッチン(文)といった変更がなされている(キャームとヤッコはそのまま)。
そうした変更は仲間だけではなく、ほかの中学のやつにも及び(例:ビーバー→フィーバー)、単行本で登場した豚ピックという人物に至っては、存在が消される(したがって、作中のエピソードがいくつか落ちている)。そこらへんを精読してみるのも、面白いのかもしれない。

中央公論』10月号

連作短篇小説「恋まで、あと三歩。」が、7月号以来の第4回。「キュウリの馬に乗って」が掲載されている(イラスト:杉田比呂美)。
7年まえに妻を失った健一と娘の美紀。ふたりはお盆休みを義母の実家で迎えることに。美紀が義父母やひいおばあちゃんと楽しくやっているなか、健一はひとり東京へ戻り、半ば強引にセッティングされたお見合いに臨む。
なんか、ホームドラマによくありがちな展開に堕している気が。もう少し何かほしい。
あと読者としては、3ヶ月に1回だとストーリーもあやふやになったりするものだけど、書くほうはどうなんだろうなあ。

8月12日付夕刊フジ(11日発行)「シゲマツ解説委員長が斬る ニュースの読み方アソビ方」

・地価上昇で”悪夢”再び/相続税対策シッカリね
・赤っ恥をかいた財務&外務省/まずは「スベらない国」目指そう
若い女性は上アゴの奥歯が退化/八重歯アイドルがいなくなる!?
函館にいったときに、買い逃していた分。あっちのコンビニでは見かけなかったけど、北海道では売ってないのかな。
余談だが、仙台にはあった。が、並ぶのが朝刊と同時らしい。夕方に買おうとすると、まだ(関東で)前日(の夕方)に出たものが置いてある。