伊勢田哲治著『哲学思考トレーニング』(ちくま新書

「哲学とか思想が苦手な人はこの本を読むといいですよ」と、ある教員がいっていたのは、もう1年ぐらいまえになるだろうか。すぐに購入したのだが、序章だけ読んで放置していた。このまま読みっぱなしにしておくのはもったいないので、手にとってみた。
世間でクリティカルシンキングと呼ばれている技法について書いてある。まあ、それ自体はそこそこ役に立ったのだが、一言でいってこの本は「使えない」。
この手の本って、一度通読して、あとは辞書的な使い方をしたいのだが、索引がついていない。そして、目次も索引のかわりにはならない。目次になっているのは、章・節までで、その次の小見出しは含まれない。とても「惜しい」1冊だと思う。

小浜逸郎著『「男」という不安』(PHP新書

著者がいいたいことは「はじめに」で書かれている。

要するに時代は変わっても、男女の関係には変わり得ないものが底流としてあり、その底流の存在をもう一度自覚しなおすところからしか「新しい男の生き方」や「よりよい男女のありかた」も生まれてこないということだ。

このことを手を変え品を変え書いて、分量は230ページちょっと。まあ、暇じゃなきゃ読めない本だなと思う。
ちょっと面白いなと感じたのは、こんな表現。
「現代の若者男性には、女との面倒なかかわりを避けて、性欲を風俗や”自家発電”で発散させたり(後略)」(p.160)
「発電」で「発散」というのはおかしくないだろうかと、どうでもいいことに突っ込んでみる。