坪内祐三著『酒日誌』(マガジンハウス)

この本、あと1週間早く読んどけばよかった。p.205を見てそんなことを思う。

平下まりあ著『あたしは非定型精神病なのだよ』(たま出版)

著者の人生があまりに壮絶で、取りつかれるように読んだ。家族による過干渉、強烈な自己愛。世にあふれる「私はこんなに苦しい思いをしてきました」本との違いは、やはり著者の頭がいいことか。
前半はそんな感じで面白く読めたのだが、後半は自分と同じ症状で苦しむ人たちへのアドバイス。関係ない人にはあってもなくてもいいところ。

大学卒業後、十二歳の時から思っていたカレ=教師H(今は作家で、大学教授で、ラジオのプロデューサーで、他にも重要な役を兼任している。私がこうやってすべてをあからさまにすることを犯罪呼ばわりするが、おまえのしたことこそ犯罪だ。ばらされてやばいことをするなよ)にはじめて抱かれ、私の心は、その初体験により、ずたずたになった。(p.350)

誰なんだろう、教師Hって。
著者ウェブサイト:http://www.rose.sannet.ne.jp/maria/maria.htm