勉強の程度と成績が比例しない理由

学生の方、あるいは学生だった方へ。あんまり勉強しなかったのに、いざ成績がきてみたら、「優」とか「A」だったことはないだろうか? あるいは逆でもいい。逆というのはつまり、いっぱい勉強してしっかりと回答したのに、成績がいまいちだった、ということだ。
ここで「ない」といわれたら、話が終わってしまうので、「ある」ことにさせていただく。
実際、私はこうしたことがよくある。なぜなんだろうと疑問に思っていたら、ゼミの教授が、きわめて明確な答えを提示してくれた。まず、事前にきちんと勉強してきた場合について考える。
しっかりと勉強→予想される問題に対して回答を準備
これには何の疑問もないと思う。問題はここから。普通に考えれば、回答を準備してきた方が、しなかった場合より、うまく答えられそうな気がする。だが、必ずしもそうだとはいいきれない。
予想した問題と、実際に出題された問題がぴたりと一致することはまれだ。でも学生は、予想と少し問題が違うのに、自分が用意してきた回答をアレンジすれば大丈夫だろう、なんて考えてしまう。だから、結局できあがった回答は、問題と論点がずれていて、大幅減点になる、と。
次に、ちゃんと勉強しなかったのに、いい成績が取れる理由について。
あまり勉強しなかった→問題を見たとき一瞬固まる
よほどの天才で、勉強しなくても知識がばっちりある、というようなケースは除外する。となれば、これも疑問がないだろう。で、この先どうなるか、だ。
一瞬固まりはするものの、そこで放棄することはせず、回答を作成しようとはずだ。知識がないから、暗記してきたものを答案用紙に写す、なんてことはできない。問題をじっくりと読んで、限られた知識を総動員し、どういうふうに回答を作るか考える。ここがポイントだ。
つまり、回答の構成を考えることからスタートする。だから、論理的な答案ができあがるというわけだ。
以上から得られた教訓。勉強してきたからといって、暗記に頼ってはいけない。ちゃんと問題文を読もう。勉強しなかったからといって、あきらめてはいけない。きちっと問題文を読み、論理展開を考えれば、回答が作れる、かもしれない。