1月26日付朝日新聞朝刊「宅配便の送料節約術」

前田育穂という人が、こんなことを書いている。

例えば、川崎市から高知市にCDを2枚(300グラム)送る場合、メール便なら160円。大きさ24・8センチ×34センチの専用封筒を使う郵便局のEXPACK500(500円)や、定形外郵便(390円)と比べると半分以下になる。

いったいこれは何なんだ。ヤマトに肩入れしているのか、それとも単に世間知らずなのか。
まず、CD2枚を送る比較対象として、いくらなんでもエクスパックはないだろう。これには青年誌サイズのコミックスが6冊も入るのだから、CDなら10枚強送ることができるのではないだろうか。ぜんぜん比較になっていない。
そして、もうひとつ、定形外郵便とも比較している。しかし、CDを定形外郵便で送るということは、基本的にはない。なぜなら、冊子小包郵便のほうが安いから。
冊子って、本とかじゃないの、と思われる方もいるかもしれない。しかし、公式ページ(http://www.post.japanpost.jp/service/parcel/sasshi/index.html)を見てほしい。「冊子とした印刷物及び電磁的記録媒体(※)が対象です」「電磁的記録媒体とは、具体的にCD、DVD、MD、FD 、ビデオテープ、カセットテープ等をいいます」とある。
CD2枚(300グラム)は冊子小包扱いだと、500グラムまでのカテゴリで290円となる。上記引用部分のケースより100円も安くなって、メール便の「半分以下」にはならない。
さらにCD2枚が300グラムになるのは、2枚組だとかいった場合に限られるだろう。ためしに、手元のCDを2枚はかりに載せてみたら、200グラムだった。梱包材を入れても250グラムまでには十分収まるだろう。こうなると、冊子小包の料金は210円で、メール便の160円と比較しても、50円しか違わなくなる。
そんなわけで、CDを冊子で送れることを知らなかったのなら、十分に反省してほしい。知っててヤマトに有利な記事を書いたのであれば、何もいうことはない。私もヤマトに肩入れしたい人間だから。
余談だが、記者について。育穂という名前はそれなりに珍しいと思う。もし同一人物だとしたら、こんなリンクが見つかる。SFC出身か。
卒論:http://mkat.sfc.keio.ac.jp/paper/1999maeda/
画像(右に写っている人?):http://web.sfc.keio.ac.jp/~mkat/seminar/seminar.html