野性時代』12月号

映画『疾走』公開記念ということで、「走れ、バトンを持って走れ!」と題したSABU監督との対談が掲載されている(構成:温水ゆかり)。
一方に、雑談としての面白さがあり、また一方では、突っ込んだ話で作品の理解も深まるという理想的な対談になっていると思う。
笑ってしまったのは、映画を観て、フィジカルでそれを感じるということについてのこんなやりとり。

重松 俺たちもブルース・リーの映画を観た後は、ヌンチャク持ってたもんね。通信販売とかで買っちゃったもんね(笑)。
SABU オレは作りましたよ、竹で。
重松 作った!? やっぱ、少年の頃からものづくりが好きだったんだなあ。(p.362)

今号の表紙は『疾走』主演の手越祐也。以下、「野性時代からの10の質問」より。

問6 許せない人がいますか。いればどんな人ですか?
   歩きタバコしてる人

いいねえ。
重松がらみだと、ほかには、青春文学100冊書評に、『疾走』(007)、『かっぽん屋』(050)、『スモールワールド』(089)が載っている。
あと、そろそろ「身も心も」を再開させるはずの時期だが、次号予告に重松清の名前はない。

文藝春秋』12月号

出生率一・二九」少子高齢化大論争という座談会が全12ページ(広告除く)。論者は、宮崎哲弥を司会に、赤川学信州大学助教授)、片山さつき重松清八代尚宏国際基督教大学教授)の全5人。
出生率は自動的に回復する」として、対策が遅れた少子化、未婚、晩婚と少子との関係、政府の対応による効果の不鮮明さ…。
有識者と呼ばれるような人たちが論じてみても、容易に解答を出せない。ということは、もっともっと議論を深めていかないと、ほんとにやばいことになるんだな。そう思わされた。これからの時代、都合の悪いことにこそ、目を向けていかないといけない。
余談だけど、この座談会は、162ページから始まり、173ページで終わる。ページは以下のように割り振られている。
左:163、右:162
左:165、右:164
(中略)
左:広告、右:172
左:173、右:広告
対談の終わり近くに、あえて広告を入れ、読者の目に触れさせようという工夫。こんなふうにして、広告料を得ているのか。ふむふむ。

千住文子著、重松清解説『千住家の教育白書』(新潮文庫

帯によると、千住博千住明千住真理子という「三人の世界的芸術家を育てた母の記録」だそう。
この本に書かれている子育てには、賛同しかねる部分が多々あった。だからこそ、体裁を繕うことなく真実を書いたんだろうなと思える。
子ども3人のことを知らないまま読了してしまった。もし、下記の公式ページを見て、ざっとどんな仕事をしているのかを知って読み始めていたなら、少し違った読後感を持ったかもしれない。
千住博公式サイト:http://www.hiroshisenju.com/
千住明公式サイト:http://www.akirasenju.com/
千住真理子公式サイト:http://www.toshiba-emi.co.jp/classic/senjumariko/

週刊ポスト』11/25号

三浦展著『下流社会 新たな階層集団の出現』(光文社新書)の書評を書いている。この本は、上にあげた『文藝春秋』の座談会でも取り上げられている。
また、来年1/20には、新宿の朝日カルチャーセンターで、三浦さんによる「中流社会の終焉」という講座が開かれる。
最近のポストの表紙はデザインがかっこよくていい。

『+act.』VOL.06 AUTUMN

(情報出所:2ch手越祐也のインタビュー掲載。あと、『疾走』とは関係ないけど、SABU監督と森田剛の対談も載っている。

ダ・ヴィンチ』12月号

今さらの感もあるが、今月*1の「絶対はずさない!プラチナ本」に『その日のまえに』が選ばれている。下記URLでも、編集部員たちのコメントを読むことができる。
http://web-davinci.jp/contents/platinum_book/index.html

*1:2005年11月