読了

福満しげゆき著『妻と僕の小規模な育児 1』(Kindle版、2020/3)

コミックDAYSでの連載スタート時は「診断の多い育児マンガ」というタイトル。たしか単行本の発売情報も当初はその名称だった。

福満家には現在、ふたりの男の子がいる。上の子は右耳が小さく生まれてきた。そこから始まる病院との濃いかかわりが描かれる。

私も耳の聞こえがよくないんだけど、両親が把握したのは幼稚園のときだったかな。だから、出生時から聴力に難があるとわかってる場合にどういう対応がされるかという点は、興味深く読んだ。

あとは何度かの夫婦喧嘩シーンを見て、子育ては価値観がぶつかる場所なんだなあと。育児は妻にお任せの時代ではなくなったし、方針の衝突はさらによくあるものになりそう。

どうするのがいいんだろう。正解がないだけに、意見がぶつかるのも悪いことばかりではないのかな。

藤子・F・不二雄著『ドラえもん 0』(てんとう虫コミックス、2019/12)

学年誌などに掲載された「ドラえもん」第1話のコレクションが約半分。あとは連載開始前の予告や作品解説など。

開始から8年後に描かれた「ドラえもん誕生」では、当初の生みの苦しみが綴られている。三谷幸喜さんがこれを読んで号泣したと書いていたけど、創作者の立場になると通じる感情があるのかな。

イデアさえ決まってしまえば一気だったのか、各第1話は似た導入をしながらもそれぞれの展開を見せる。国民的作品の出発点が知れて有意義な時間だった。

2020年1月15日第6刷発行。