「ザ・ノンフィクション しっくりくる生きかた」

久々に見入ってしまう作品だった。
登場するのはきららというアイドルで、書類上は男なのかな。あるとき店でながめたワンピースに魅了され、自分のうちにある「女」に気づく。
とまあ、ここまでなら単なる性同一性障害で、もちろんつらいことではあるのだが、きららは加えて困窮生活を送る。家で食べるのはくず米。家畜のエサ用のものだ。借金も抱えている。
面接を落ちたりケガで入院したりと、つらい場面が続く。それでもきららの豊かな言葉が救いになって楽しめる。
番組終盤、ブログの読者から食品などが送られて、暮らしぶりが少しよくなる。そしてきららはお世話になった仕事から距離を置く。
撮影スタッフからは「調子に乗ってるのでは」と問われた。その返答がすごくいい。
「調子に乗ってるからこそ挑戦的な事をする」「今の時期に調子に乗れなかった言い訳みたいなことを作りたくない」
迷いのない言葉だった。
2/12放送。