「週刊新潮」編集部編『黒い報告書エクスタシー』(新潮文庫、2014/5)

「近年の『黒い報告書』の中から、特に官能的で優れた作品を集めたアンソロジー」(まえがきより)。全16編収録で、初出は『週刊新潮』2012年5/3・10号から2013年9/26号となっている。
ずっと放置していたが、次作が出たのを機に読む。やっぱり純粋な娯楽作品なので後回しになりがち。
印象に残ったのは、深笛義也の作品。基本的に犯罪で終わるシリーズだからバッドエンドがほとんど。そのなかで深笛のものは最後に救いがあり、いい読後感だった。
あとは時間が経っているからか、下敷きにしている事件が意外とわからない。覚えていたのは、靴に毒を塗った事件、面識のない男たちが共同で痴漢をはたらいた事件、尼崎連続変死事件ぐらい。
平成二十六年五月二十日二刷。