『早稲田魂'15』

今回の巻頭インタビューは声優の若本規夫。就職活動からめぐりめぐって声優になるまでの道すじが面白かった。
ほかで印象に残ったものをあげると、まず「受験へラストスパート」。この雑誌には珍しく、受験生向けのしっかりした企画。扉ふくめて9ページもあり、ガーディアンの部員に聞いた教科別アドバイスや使用したノートの公開、試験時のトイレ・教室情報まで盛りだくさん。トイレについては、外のプレハブが穴場と書いてある。いま振り返ってみると、あれをわざわざたてる早稲田はサービス精神あるなあと思う。
「地方人の会」(全5ページ)は、地方出身者ならではの状況や悩みを語り合う企画。このなかで応援部・川岸さんの話がいろいろ興味深い。まず早稲田への思いを抱いたきっかけが良い。高校で応援をやっていた彼は、他大学のデモンストレーションも見にいった。そこにあった学生の冷ややかな目線が早稲田にはなかったそうな……。代ゼミタワーから神宮や国立が見えたという話や、妹が指定校推薦で先に早稲田を決めてしまったというのも面白い。受験にかんすることでいえば、ホテルの話題が目を引く。11月には予約しないと、近隣は無理とのこと。上述の川岸さんは、歌舞伎町のカプセルに泊まった経験もあるそうで、これまた面白い。
合格体験記では、文学部・松本さんのものが印象的。現役の受験は合格最低点まであと0.653点。浪人のとき「テキストには日付を記入した付箋を5枚貼って最低5回の復習を目標とした」そう。これはいいなあ。私の浪人時代を思い返してみても、復習する回数が現役とは段違いだった。代ゼミの学期の授業は週1コマ。高校みたいに1週間に3-4コマやらない。これが復習に向いていた。次の予習をするときに「前回の復習しとくかー」となる。また学期が終わって講習会になると、受講する量が調節できる。そこで時間の余裕をつくり、学期の復習をこなしていた。遠い昔の記憶。
「ドカタとえんぴつ」は5ページの小説。テストを100発100中の鉛筆ころがしで切り抜けてきた男が、ある事情から高校入試で挫折する。いやあ笑わせてもらった。
あと、ちょっとだけ面白かったのが「ワセダでプロデュース」というサークル紹介とスポ科の学部紹介。雑誌全体としてはよくできた企画とそうじゃないものの差が大きかった気がする。それと広告とはいえ「早稲田ミナール」や「ワセヨ」といった誤植はチェックしてあげるべき。いや、広告だからこそ……。