野口剛夫「佐村河内問題とは何だったか」(『新潮45』5月号)

全7ページ。半年前の記事に同じく、冷静な視点が光る。とくにそれを感じたのが桐朋学園大学へのコメント。大学側は新垣について「厳正に対処」と発表していたのに、3月28日付のお知らせでは「本人の意思を尊重し、辞退を受け入れる」となった。明らかに変節しているのだ。自分たちが主体で対応するはずが、本人を尊重になっているのだから……。
野口は理由が示されていないと指摘する。たしかにそのとおりだ。学生の署名運動や世間の空気を見て変えたのだろうか。だとしたら、そもそもの「厳正に対処」とはそんな簡単になびいてしまうものだったのか。