歴史は繰り返される?

神奈川を地盤とする学習塾「湘南ゼミナール」(以下湘ゼミ)が、同業の「ステップ」を名誉毀損等の理由で提訴したそうだ。ステップは自社ウェブサイトで、湘ゼミの合格実績にかんする疑義を掲載。これにたいして湘ゼミ側は「全国学習塾協会の自主基準に反しない」と主張。損害賠償7000万円と謝罪文掲載を求めている(下記、神奈川新聞記事より)。
http://www.kanaloco.jp/article/69290/cms_id/74357

      • -

私がこのニュースを読む背景には、ひとつのことがある。15年ほど前にも、学習塾「臨海セミナー」が合格者を水増しし、それをステップが告発するという同様の構図があったのだ。当時は2歳下の弟がステップに通っていて、私も告発文やら臨海の謝罪広告を見せてもらった。このときは、単なる水増しだったと記憶する。要するに人数を盛って発表する、と。
では、今回はどうなのか。ステップは全10回にわたって、湘ゼミの合格者数を分析している(下記URL)。
http://www.stepnet.co.jp/beginner/syozemi.html
もっとも多用された細工はこう。すなわち「A教室の合格実績です」と発表しながら、実際にはA教室の合格者だけでなく、A教室の講座に参加したB教室・C教室所属の生徒も含めるというものだ。
これの問題点を考えてみよう。
合格者が所属ベースで「A教室10人・B教室10人・C教室10人」いたとしよう。塾トータルでは30人だ。
ところがさきほどの数え方だと「A30人・B10人・C10人」となってしまう。全30人なのに、トータル50人に見えてしまうのだ。
ステップの指摘が正しければ、湘ゼミの手法は問題だといわざるをえないと思うのだが、そう考えるのは私がステップOBだからだろうか……。
また上記リンク中「その8」のように、複数年の合格者数を単一年に見せかけるという細工も用いている。
私としては今後を興味深く見守りたい。ただ地方版の片隅に載る程度のことなので、判決が出ても報道されるのかという心配はある。
【関連リンク】
「株式会社ステップに対する訴えを横浜地裁に提起しました」(湘ゼミ)
http://www.shozemi.com/operation/news/140405.html
湘南ゼミナール問題について」(ステップ)
http://www.stepnet.co.jp/news/index.php?mode=d&id=281