「週刊新潮」編集部編『黒い報告書インモラル』(新潮文庫、2013/2)

「近年の『黒い報告書』の中から、特に官能的で優れた作品を集めたアンソロジー」。ちなみにまえがきのこの説明、前作とまったく同じ。シリーズとしては4冊目で、次は今月末に出るそう。全17作品が収録され、初出は『週刊新潮』2011年1月27日号から2012年6月28日号となっている。
全体としては面白いのが少なかった印象。そのなかでよかったのが、長谷川純子「『母殺しの男』と逃げる女に押し寄せた『裸まいり』の波」。宮崎県の青島にある行事のさまを、性行為にからめているのがうまい。