ICカードが有効か?

14日の日経朝刊に「バスでの転倒気をつけて」という記事が出ている。発車直後や信号待ちで両替するときに事故が起こっていることを紹介している。
気になったのは宗林さおり消費者庁・商品安全課長のコメント。
「着席が事故防止の一番の方法。両替がいらないIC乗車券などを使うのも有効ではないか」とある。
私はこの発言、非常によろしくないと思う。
意図はわかる。「IC乗車券利用→走行中に両替へいかずに済む→転倒のリスク減」ということだろう。
しかし根本的な解決を図るには、「運賃支払いは手短に」という意識のほうを改めなければいけない。
そこが改善されなかったら、IC乗車券を家に忘れた場合はどうするのか。危険を承知で、走行中の両替を試みるのではないか。
先のコメントの意図を、もう一度考えてほしい。「走行中に両替へいかずに済む」というのは、「降車時の両替はいけない」という思考がベースにあってなされる考え方だ。
つまり、「IC乗車券は有効」という課長の何気ないコメントは、実のところ「もたもたすんな」という考えを助長しているように思う。