上井草球場の図録

イントロ

きのうは杉並区立郷土博物館にいった。きっかけは7月末におこなわれるライオンズ・クラシック2013。
今年の題材は東京セネタースで、その本拠地だったのが上井草球場。
佐野正幸『昭和プロ野球を彩った「球場」物語』でも取り上げられている。再読してみると、参考文献に「『上井草球場の軌跡』(杉並区郷土博物館)」とあった。
これはなんぞやと思い検索すると、過去におこなわれた企画展の図録。およそ10年前のものだが、現在でも購入できるということで、冒頭の博物館へ足を運んだわけである(郵送でも購入可。下記URL参照)。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/guide/guide.asp?n1=100&n2=220&n3=400

図録2冊について

上で触れた『上井草球場の軌跡』は2004年3月発行(400円、40ページ:表紙含む)。
その後、2004年10月には『区民とつくる企画展「上井草球場」』というものも出ている(200円、16ページ:同)。
だいたいにおいて内容・文章は同じだが、前者には「野口二郎氏インタヴュー」「関根潤三氏・田邉恕夫氏インタヴュー」がある。
後者はいくつかの写真が新しく掲載されている。その他、細かな書き改めがあるが、大きな加筆は「一高(現東大)・三高(現京大)野球部対抗戦復活試合」という節。あとは『稲門倶楽部報』第20号からの要約が追加されている(内容は戦火から用具を守った方法について)
読むならどちらか1冊でもいいし、安いので両方買っても無駄にはならないと思う。

感想

球場の数奇な運命を、興味深く読んだ。1949年、国体開催のために47500人収容へ改修。それから15年後の1964年に取り壊しとは、いくらなんでもさみしい。
ちなみに、上記のキャパシティのうち25000人が外野芝生席。写真も出ているが、いまの球場にはないスケールにびっくり。これだけの土手ならば、外野25000人にも納得。

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両図録によると、『野球場大事典』の沢柳政義が戦後の上井草球場復興に取り組んでいたそうだ。その経緯を自身が『よみうりセルバ』というなにかに書いているらしい。この『よみうりセルバ』のことは、検索してもよくわからない。雑誌なのか、それとも読売新聞についた付録的なものなのか。
沢柳の文章は「上井草球場物語」というタイトルで、連載だったみたいなので、読めるならぜひ読みたいのだが……。
あと『上井草球場の軌跡』の参考文献で気になったのが、セネタースに在籍した野口二郎苅田久徳の著書。幸いにも古書で入手できるようなので、機会があれば読んでみたい。