佐藤康光著『佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』(NHK出版・NHK将棋シリーズ、1995/11)

囲い崩しの本。戦型や囲い別に、どこに何をすれば寄せが進むかを解説している。
18年前の本である。刊行時の著者は26歳(7段)。それがいまも版を重ね、書店に置かれている。そのことだけでも本書が支持されていることがわかる。
じっさい効き目は抜群で、「優勢になったけれど手に悩む」ことがほとんどなくなった。ただ、細かい手順はいっぺんだけだとマスターできていないので、折にふれて読み返したい。
【対象レベル】たとえば「詰めろ」という言葉が説明なしに使われている。そのため、たとえば『みるみる強くなる将棋 終盤の勝ち方入門』とかで、基本的なことを知っておく必要はありそう。ネットで「詰めろ」とか「必至」の意味を調べるだけでもいいかもしれない。
【誤植】棋書は重版のほうが誤りが訂正されていてよかったりするものだが、本書は残念。昨年の11刷の段階でも修正すべき点が残っている。たとえばこれ。http://d.hatena.ne.jp/r_ikeda/20100526
p.19の末尾、▲7二金のあと△7四歩で必至を回避できるというもの。私もマイボナに読み込ませてみたが、先手+1000ぐらいで優勢ではあるものの、決着はついていない。
ほかにもp.191の6図解答で、「寄」や「打」を欠くというミスがある。
【筆者の現在の棋力】将棋倶楽部24:13級(最高R348、現R256)、将棋ウォーズ:【10分】1級【3分】2級