「来たれ白梅の学び舎へ〜熊本県立第一高校の男子獲得作戦〜」(第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品)

共学にもかかわらず、30年以上女子だけ。そんな高校が、男子生徒を入学させるべく奮闘する。
校長は中学や塾へ出向いて方針説明。同窓会長も同行して一体で取り組む。男子の受験には野球部の存在が必要と聞けば、近隣に練習場を確保。中学生の野球大会では、スコアボードに学校広告を出稿した。
そんな動きが実を結び、70人の男子が入学。めでたしめでたしの感動物語。
ただ、気になったことがある。そもそもなぜ男子を入学させたかったのか。番組では「活力アップ」とか「校長が進学実績の厳しさを目の当たりにした」とかいわれていた。
たしかに男子も取れば、学力的に優秀な生徒は増えるだろう。しかし、それは入学時点での話。出口、すなわち進学実績をあげたかったら、能力の高い生徒を取るよりも、教育そのものを改善するほうが早回りに感じる。
まあ、再び男子の卒業生を出す2015年春にどうなっているかが興味深いね。
番組が感動を呼ぶのは、校長の熱心さによるところが大きい。公立校なんて、基本的に待っていれば生徒がくるわけだ。そこを営業マンのように、塾へ中学へ駆け回る。こんな公務員もいるんだなあと頼もしく見た。
ナレーション尾谷いずみ。昨年12/8未明放送。