新木場歩き

イントロ

都区内フリーきっぷで行く場所を考える。エリアを見てみると、京葉線葛西臨海公園までが範囲。
でも、葛西臨海公園はいつか行く機会ありそうだな……。台場も。
と考えたときに、中間の新木場が浮かんだ。きょう行かなかったら、人生で訪れずじまいかもなと思った。

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新木場は、駅の北側一帯が夢の島公園になっていて、第五福竜丸展示館や熱帯植物館がある。
そして、地図を見てびっくりしたのは、明治通りがこんな臨海エリアにまで伸びていること(駅前の「夢の島」交差点が終着点)。三ノ輪あたりにきてるのは知ってたんだけどね。

第五福竜丸展示館


水爆の灰を浴びた木造船とその歴史が展示されている。社会の教科書程度の知識しかなかったから、いろいろ身につまされた。たとえば、水爆に人生を変えられたと嘆く乗組員の言葉だったり、被害者のもとへ送られてきたお見舞いの手紙等々。また、先月からの企画展「マーシャルは、いま」では、福竜丸だけではない被害の様子を知ることができる。
3・11後の現在、治療を担当した医師の文章には、同じことの再来を予感させられた。アメリカの医師がいうには、自分たちに任せておけば無線長の久保山さんは死ななかったと。またアメリカ政府は、死亡が水爆の影響ではないなどという。
じわりじわりと影響を及ぼす放射能。直接的な被害だけではなく、因果関係の証明がやっかいだという点でも恐ろしい存在だ。

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順路からいくと、おそらくラストに見るのが、当時はゴミ置場だった夢の島の写真(撮影:森下一徹)。そのゴミのかたわらで放置された第五福竜丸が実にショッキング。救い出されて展示館ができ、歴史を振り返れることのありがたみを感じる。これほど感化されるところの多い博物館・資料館は初めて(しかも無料)。いつまでも保存されるといいな。

夢の島熱帯植物館


清掃工場の焼却余熱を利用しているそう。余熱というと、プールがわりあいよくあるが、こういうパターンもあるのね……。
ヤシとかはあまり興味がないが、気になったのは写真のカボチャ。模して作っただけの置物かと思いきや、本当にカボチャだそうで……。へえ。