酒井順子×関川夏央×原武史『鉄道旅へ行ってきます』(講談社、2010/12)

3人で旅行しながらの鼎談が6本に、各自のひとり旅が1本ずつ。以上は『小説現代』初出。あとはまえがき(原)、なかがき(酒井)、あとがき(関川)的なものが書き下ろしで収録されている。
走行中の部分と関係ない話が多いなというのが全体的な印象。あとは原さんのかばん。最初4回ぐらいは手提げで使いにくそうなサイズのやつ。だが、その後は背負うバッグにチェンジしている。やはり本人も同じことを感じたか。
原さん酒井さんのこだわりはわかっていたが、関川さんは分岐に注視する。素人には知識のないところだ。しかし、北藤岡西枇杷島が紹介されているのを読んで、興味がわいてきた。それが収穫かな。いままでどういうふうに面白いのかわからなかった。

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おとといの日記で書いた『沿線風景』には、1回だけ行動をともにするFくんという人物がいる。そっちの本では塾高鉄道研究会の後輩としか書いてないのだが、本書(p.48)によると福田和也の息子らしい。なるほど。鉄研の後輩なんていっぱいいるだろうに、なんでそのFくんが加わることになったのか。そこにまったく触れられてなかったんだよな。原さんの本はいろいろ読まないと、疑問が残る設計のようだ。不親切な!