勝谷誠彦著、水道橋博士解説『平壌で朝食を。』(光文社文庫、2010/8)

著者初の小説集『彼岸まで。』を改題。文庫化にあたって、新たに1編が加えられている。
自らを主人公としている私小説が3編。偶発的に見える出来事は、いったいどこまで真実なのだろう。そうやって想像しながらの読みは、すごく楽しい。
他の作品も勝谷誠彦ならではのエッセンスがつまっている。どの話も一筋縄ではいかないのだ。水道橋博士も書いているが、最後のどんでん返しにはびっくり。
小説だからこそ書けることもある。母親が死んでも淡々と商品を仕上げる(p.11)自分とか。