石垣りん著、井川博年選・鑑賞解説『永遠の詩5 石垣りん』(小学館、2010/3)

名前を知っているぐらいの詩人だったが、面白く読んだ。労働者であり女性であり、そうした立場ならではの生活が描写されている。
特に印象深いのが「白いものが」と「かなしみ」の2編。前者では物質的余裕がなくなると、精神面に影響が及ぶさまが描かれる。最近わたしも、こういうことをよく考えている。
後者は転んで骨折したことを、亡き親に謝る。もらった体を傷つけてしまうやるせなさ。わたしはこういう感情を抱くことはないが、それでも石垣りんの筆致だとよく伝わる。

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末尾に重松清のエッセイが収録されている。

あさのあつこ著『THE MANZAI6』(ポプラ文庫ピュアフル、2010/9)

ジャイブのピュアフル文庫ポプラ社に移管された。そういうことがあった後の新刊が、シリーズ完結作。ごたごたと、終わらせることの間には、何か関係があるのだろうか。
1に重松清との対談が収録されていた縁で読み続けていたが、最後は特に感想もなく。