勝谷誠彦著『美しき日本人は死なず』(アスコム、2009/9)

『女性自身』の連載「シリーズ人間」から、自身担当分の傑作10編を厳選した本。帯には「櫻井よしこ氏絶賛!」の文字と写真。
私はうち4つが既読だったが、そんなことは関係なしに面白く目を通した。ほぼ一気読みだった。著者の指摘する「日本人ならでは」というくくりも的を射ている。ただ9章を本書に組み込むのはどうだろう。文章の質がここだけ落ちているように思う。
各章の末尾には「その後の物語」が付記されている。いい試みだが、なかにはネットでちょっと確認した程度のものもあって、そこが残念。
以下いくつか。
(p.89,109)5章および6章の扉ページだが、両章の初出がまったく同じになっている。もちろん間違いである。検索してみると、5章のほうは2007年12/4号というのが正らしい。6章の扉をテンプレートに5章の扉を作って、号数を変更し忘れたのだろう。
(p.183)吉永小百合の発言がよい。「昔は1人で切符も買えなかったのに、いまは時刻表マニアなんです(笑)。列車や飛行機の接続はこうなのね、と眺めているだけでも楽しい」。さすがは大人の休日倶楽部。