坪内祐三著『風景十二』(扶桑社、2009/10)

書店で帯を見て吹き出した。目黒考二が「どうしてそんなことまで憶えているの」という言葉を寄せているのだが、自分が忘れっぽいのをさんざんネタにしている彼がいっても説得力がない。というか、笑うところなんだろうなと思った。
上記の文言は『en-taxi』から引かれたものだが、元の文を読むとさすがに鋭い指摘をしている。著者の文章が読者の記憶を呼び起こす面がある、という趣旨のことが書かれていた。
まったく同感だ。たとえば私も「その一 駅前」で、ルミネウィング誕生前後の大船を思い返してみたりした。