日名子暁著『不良中年の風俗漂流』(祥伝社新書、2009/3)

2006年の早稲田のノンフィクション講座(だったかな)で、著者の話を聞いた。面白いおじちゃんだったなあという印象がある。『週刊新潮』3/5号では西成の記事を書いていた。
この本は、中身を見ていったんは棚に戻そうとした。しかしそのとき、「企画編集・元木昌彦/インターノーツ」という文字が目に入り、「ふーん」と購入。
全体的には風俗ガイド。まずはじめに、著者がその生き様に憧れる永井荷風を紹介。以降は荷風没後ぐらいから、風俗の歴史をたどり、いま現在どのような業態があるのかを解説。最後は荷風が生きた浅草や玉の井あたりを歩いてみる。

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風俗のことを知らない人間にとって、サービスの違いなどがわかり、いい1冊だった。だけど、作りがいい加減だな。とくにプロフィール欄の著作が間違っているのはひどい。『歌舞伎町アンダーグラウンド』って……(この方の本は『歌舞伎町アンダーワールド』)。
(誤植)
p.19、11行目:偏屈に閉じかっこがない
p.37、2行目:「一九五九」のかっこがずれている。
p.147、最終行:「女の総数は千五、六百人なり」がなぜか小字に。
p.213、2行目:「連役」は独自の言葉だろうか。「連投」をキー入力するにあたって読み違えたのかなとも思った。