『森に眠る魚』(双葉社、2008/12)

ここ数年読んだ小説のなかで、いちばん面白かった。お受験が盛んな地区で子育てをする母親5人の物語なのだが、そのあまりのリアルさに、小説であることを忘れてしまう。彼女たちが抱く感情のひとつひとつが、もう事実としか思えない。そんな「事実」で、全365ページが埋め尽くされている。

1月1日付日本経済新聞第3部

太宰治に浸った思春期」というタイトルで、ことし生誕100年の太宰治について語っている。