単なる雑記

藤沢10:35発の快速急行が動き出して、4、5分が経ったころだったか。警笛が鳴る。最初は、通過駅だし、注意を促しているのだろうと思った。
しかし、警笛の長さと音の大きさで、そうではないことを知る。お寺の鐘のような低くて「ぶおおおん」という通過用のものとは、明らかに違うのである。
そして警笛がやまぬまま、私は体に衝撃を感じた。それは、パンクした自転車で無理やり走るときの「ごつん・ごつん」というあれに似ていた。
電車が止まり、人身事故であることを確信する。
「ただいま善行駅におきまして、人と接触をいたしました。これから救出作業をおこないます」といった放送が流れる。
と同時に、「小田急社員がいましたら、運転士または乗務員のところまで」ともいっていた。これは、例の福知山線の事故で、JRが批判されたことからきているのだろうか。
また、しきりに繰り返していたのが、「車内で体調のすぐれないお客様いらっしゃいましたら、乗務員までお申し出ください」というアナウンス。停車しているが、車内は冷房が効いた状態で、乗車率はほんの5割ほど。それでもやっぱり、ぶつかる瞬間を想像して気持ち悪くなっちゃう人がいるんだろうなあ。
救出作業は終了。先頭車両の最前部近くにいたのだが、隣にいた女性が運転士から、警笛を鳴らしたことおよび急ブレーキをかけたことについて、証人になるよう求められていた。
ふーん。こんなこともしておくんだ。名前と連絡先を聞かれるのを横目に見ながら、お願いされたのが私でなくてよかったと、心底ほっとしていた。というのは私、急ブレーキをかけたのはまったくわからなかったからだ。むしろ止まるのって、けっこう時間かかるんだなとさえ思っていた。
車両の安全確認も終わる。しかし、「警察の許可がおりないために発車できません」という。ほお。そんなものが必要なのか。
結局、30分ほどして運転再開。気になっていたのが、精神的な影響を考えて、途中で運転士を交代させるのかということ。それはわからずじまいだが、この電車は待避線のある長後までいった後、運転打ち切りとなった。